「かのこちゃーん、泳ぎみせてよ。」「どうりでおかっぱ頭が似合うと思った」「握手しようー」
そこにじゅんこちゃんがやってきて、きのうありがとう!と大きな声でいって、
そして、みんなの前で言いました。「かのこちゃんの一番の友達は私だからね。いいでしょう」
みんな、わあわあ言っていましたが、いいなーと言う声が聞こえました。
「私、給食にキュウリが出たらかのこちゃんにあげるね!」
てるちゃんという、いつもはおとなしい女の子でした。
「私も。」「僕も。」
いい忘れていましたが、この町の人は、噂大好きだけど、それ以上に、みんなとんでもなく優しい人たちだったんです。
それからかのこちゃんは、給食のきゅうりをいっぱいもらえるようになったり、用水路に足をひたしてブラブラさせたり、楽しい学校生活を過ごしました。
かのこちゃんは、思いました。あんなに言うのが怖かったけど、こんななら、もっと早く打ち明けても良かったなあって。
優しい人の集まる町って、有るんですね。
そしてかのこちゃんの優しさが、みんなをそうさせたのかもしれません。
自分が気にしてる事って、案外人はたいして気にしていないのかもね。